酸っぱいいちご

だったのではなくて、自分の感覚が鈍すぎた、もしくは甘さに慣れすぎてその甘さを感じ取れなかった自分がどうかしていたのだと思うような、大層甘い香りが、鍋で火にかけたいちごから漂ってきました。

甘みがあまりなくて、色素が薄い…?白い部分が多かったいちごで、初めてジャムを作りました。先日レモン酒を漬けたときの氷砂糖が残っていたので、それを消費する目的もあったのですが、加熱したいちごの香りと変化していく様子に、妙な感動を覚えました。

いちごを縦に4分の1にカット、粒の小さいものは半分にカットして、鍋にごろごろと投入して、レモン汁を絞って火にかけると、ほどなくして甘い香りが漂い始めました。レモンを絞ったときには、酸っぱくてほろ苦いレモンの香りが強いくらいだったのが、加熱すると思わず二度見三度見するような甘い香り、人工的なものを思わせるような香りが立ち上り、ああ本当にアメやら何やらのあの香りはいちごの香りだったのかと思いました。

ひたひたになるほど水分が出て、ぐずぐずと煮崩れていくいちご、甘い香りを放ちながらぐつぐつと煮えていくいちご…どうしてこんなに甘い香りがするのだろう、どこに隠していたのだろう、酸っぱいというのは錯覚だったのだ、酸っぱいと見せかけてむちゃくちゃ甘い、ツンと見せかけてデレだったのだ、それを見抜けなかったのだ、許し給え…と、加熱することで起こるあれこれに妙に感動しながら、焦げ付かないようにかき混ぜ、アクを取り、すくいとった水分がとろみがかっていて、いちごのアメを思わせる半透明の赤みがかったピンク色であることにこれまた感動し、氷砂糖を半分投入し、しばらく混ぜ、残り半分の氷砂糖を投入し、混ぜ、火を止めました。

加熱しすぎたのか(後で調べたら、レモン汁に含まれるペクチンという成分が水分をゲル化?させるために必要なものらしいので、レモン汁を入れすぎたのか)、ちょっと固くなってしまったのですが、焼きたてのトーストに塗ると程よくのびました。
恐る恐るひとくちかじると、一瞬砂糖的な甘さがしたと思った途端、いちごの酸味が口の中に広がり、やっぱりツンだったのか、いやでもこのツンはそこはかとなく甘い。ツンデレとはバランスと心得たり…

動植物の命をいただく、ということを思いました。

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