彼は云った。その手にあるのは希望ではない、よく似ているが、ただの期待である。期待は捨てて希望を持て。期待は裏切る。期待は他の何かへの支配欲だ、だからその対象から反発を受けたって当然だ。希望を育てろ。誰からも干渉されない、こころの中のいちばん大切な所で。

“君はいつでも僕を傷付ける。

だけど、傷付いたのは君の方だった。
無理矢理に期待という名の服を着せられたまま、優しい君はこの手を振りほどけなかった。
そして少しでも高い場所へ僕を連れて行こうとしてくれたけれど、欲張りな僕の重さに耐えきれず手を離した。

地面に叩き付けられた僕を見て、君は今にも消えてしまいそうではなかったか。

ああ君よ許してくれ、僕は君なしには生きてはいけない。
永遠に僕のものにはならない、触れることもできないし、見ることすらできない。君はただほのかに揺れる光、僕はただそれを頼りに歩く。君さえいてくれれば、きっと僕はこのろうそくの灯りを最後まで守ることができる。

君よ、どうかいつまでも消えないでほしい。誰にも奪われないでほしい。
誰ひとり、君なしには生きていくことなどできないのだ。”

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